こんにちは、Nobuです。
2024年の春、カメラ界隈に話題となったカメラがあった。FUJIFILM X100VIだ。フジヤカメラの抽選に申し込んで、まさか当たるとは思っていなかった。当選通知が届いたとき、少し高いとは思いながらも、これは運命だと感じて購入を決めた。
あれから2年以上、X100VIはカバンの中に収まり続けている。ミラーレス一眼を持ち出すには重い、でも何かを撮りたい。そんな「ちょっとした日常」に、このカメラはいつも応えてくれた。
今回は東京都庭園美術館の館内撮影可能日に、標準・ワイコン・テレコンの3つの画角を持ち込んで試した。アールデコの空間が、このカメラの描写力を教えてくれた。

FUJIFILM X100VI スペック|4020万画素と初搭載の手ブレ補正
- センサー:APS-C 裏面照射型 X-Trans CMOS 5 HR(約4020万画素)
- 画像処理エンジン:X-Processor 5
- レンズ:FUJINON 23mm F2(35mm換算35mm相当)
- 手ブレ補正:5軸・最大6.0段(X100シリーズ初搭載)
- ビューファインダー:ハイブリッドビューファインダー(光学式・電子式切替)
- シャッター速度:1/4000秒(メカシャッター)/ 1/32000秒(電子シャッター)
- 動画:6.2K/30P、4K/60P、1080/240P
- フィルムシミュレーション:20種類
- 防塵・防滴・耐低温:対応
- 重量:約521g(バッテリー・カード含む)
- 新品価格:281,600円(税込・メーカー直販)
前モデルX100Vから大きく変わった点は2つ。センサーが約2600万画素から4020万画素へと大幅に高画素化したこと、そしてX100シリーズ初となる5軸・最大6.0段のボディ内手ブレ補正が搭載されたことだ。使い勝手は大きく向上した。今回は、そのX100Ⅵを2つのコンバージョンレンズとともにご紹介したい。撮影は昨年の夏ですが、梅雨が明けた夏のお休みをこのX100Ⅵと過ごすイメージが膨らんてくれればと思う。
X100VI 3つの表情|コンバーターで広がる画角
X100VIの面白さのひとつに、専用コンバーターによる画角の変化がある。標準の35mm相当に加え、ワイドコンバーター(WCL-X100 II)を装着すると約28mm相当、テレコンバーター(TCL-X100 II)では約50mm相当になる。
コンバーターは本体に直接ねじ込む方式で、装着してもコンパクトさが失われにくい。画角情報はカメラが自動認識するため、設定変更は不要だ。今回の庭園美術館での撮影は、この3画角をすべて試す絶好の機会になった。

実写インプレッション|東京都庭園美術館、2025年8月
東京都庭園美術館は1933年に建てられたアールデコ様式の旧朝香宮邸。展示によって館内撮影可能な期間があり、今回はその機会を利用して撮影した。建築と写真好きにとっては建築と光を楽しみながら撮影ができる数少ない場所だ。この空間でのX100VIの描写は、期待以上のものだった。
標準23mm(35mm相当)|光の階調をそのまま写す
標準レンズの23mm F2は、35mm換算で35mm相当。スナップに慣れた目線に自然と合う画角で、見たままを切り取る感覚がある。開放F2での解像感は素直で、周辺部のごく僅かな流れすら個性に感じるほど、レンズの素性は良い。
手ブレ補正が効くおかげで、室内の薄暗い光でも手持ちで止まる。前モデルのX100Vではわずかなブレが気になる場面が、X100VIでは一歩踏み込める。これは大きな違いだ。
ワイコン WCL-X100 II(28mm相当)|空間を丸ごと抱きとめる
ワイドコンバーター装着時は約28mm相当。庭園美術館のような空間では、この画角が特に力を発揮した。天井から床まで、部屋全体の空気感を一枚に収められる。

F2.0開放での描写は、四隅にやや流れを感じるが、中心部の解像感は十分。コンバーター越しでこれだけ写れば文句はない。暗部が潰れず、ハイライトも飛ばない。この粘りは4020万画素のX-Transセンサーの持ち味だ。

テーブルクロスの白、クリスタルグラスの透明感、陶器の柔らかさ。それぞれの素材が持つテクスチャーをきちんと描き分けている。白飛びなく、しかし暗くもない。4020万画素の恩恵が素材感の再現に出ている。

1/5秒のスローシャッターを手持ちで止めた。以前なら三脚を持ち込むか、ISOを上げるしかなかった場面だ。低ISO400のまま、鮮やかなオレンジの階調を保てたのは手ブレ補正6段分の効果がある。フィルムシミュレーションはCLASSIC Neg.を使用している。

ISO800でもノイズは気にならない。X-Trans CMOS 5 HRは高感度耐性が高く、A3プリントを想定しても十分な質感が保たれる。光の輪郭がくっきりと描かれ、タイルの素材感が伝わってくる。

逆光のアンティーク洗面台。窓の白とシャドウの暗部が共存している。ISO1250、シャッター1/15秒。手ブレ補正なしには撮れない一枚だ。シャドウに粘りがあり、暗部が完全に潰れていない。高感度でもディテールが残る。
テレコン TCL-X100 II(50mm相当)|細部に踏み込む画角
テレコンバーター装着で約50mm相当。標準よりも圧縮感が出て、被写体に近づいた描写になる。庭園美術館のような場所では、建築装飾の細部を切り取るのに向いていた。

F2.2開放で細部まで踏み込んだ浮き彫りのレリーフ。髪の一本一本、筋肉の起伏がきちんと再現されている。4020万画素の解像感がここで意味を持つ。シャドウの粘りも出ており、立体感が画面から伝わってくる。

窓枠を額縁に見立てた構図。テレコンの圧縮感が、池の緑と木々をひとつの絵としてまとめてくれた。開放F2.8で窓枠はしっかりボケ、奥の緑が適度に解像している。周辺光量落ちがむしろ額縁効果を強調している。
X100VI 比較|Ricoh GR IVとX100Vとの違い
| 項目 | FUJIFILM X100VI | Ricoh GR IV | FUJIFILM X100V |
|---|---|---|---|
| センサー | APS-C 4020万画素 | APS-C 約2580万画素 | APS-C 2610万画素 |
| レンズ | 23mm F2(35mm相当) | 18.3mm F2.8(28mm相当) | 23mm F2(35mm相当) |
| 手ブレ補正 | 5軸・最大6.0段 | 5軸・最大6段 | なし |
| ビューファインダー | ハイブリッドVF(光学/電子) | なし | ハイブリッドVF(光学/電子) |
| 防塵・防滴 | あり | なし | あり |
| コンバーター | ワイコン・テレコン対応 | ワイコン(GW-4)のみ対応 | ワイコン・テレコン対応 |
| 重量 | 約521g | 約275g | 約478g |
| 新品価格(目安) | 約28万円 | 約195,000円 | 生産終了・中古のみ |
GR IVと比べると、画素数はX100VIが上だが、GR IVは約275gという驚異的な軽さが魅力だ。手ブレ補正はどちらも5軸6段で互角。決定的な違いはビューファインダーの有無と防塵防滴対応。ファインダーで写真を撮る体験を重視するなら迷わずX100VI、とにかく軽くコンパクトに持ち出したいならGR IVという選択になる。
FUJIFILM X100VI をおすすめする方
- ミラーレス一眼を持ち出すほどでもない日常の撮影に、妥協したくない方
- 街撮り・スナップを手ブレを気にせず楽しみたい方
- アールデコや建築など、室内撮影OKの場所を愛する方
- フィルムシミュレーションで写真の空気感を変える楽しさを知りたい方
- コンバーターで画角を変えながら1台で完結させたい方
FUJIFILM X100VI をおすすめしない方
- とにかく価格を抑えたい方(約28万円は高い買い物だ)
- 望遠域や動体撮影がメインの方(固定レンズの限界はある)
- ポケットに入るサイズを最優先する方(GR IVの方が向いている)
- 動画を本格的に活用したい方(動画機能はあるが主軸は静止画)
FUJIFILM X100VI レビューまとめ|カバンの底で待つ、最高の相棒
X100VIを買って1年以上が経った。後悔は一度もない。
高い、重い、ズームできない。そういう不便さを全部わかったうえで選ぶカメラだ。でも、カバンの中に入れておくだけで「今日も何かを撮るかもしれない」という気持ちになれる。それだけで、このカメラは買う価値がある。
4020万画素の解像感、6段分の手ブレ補正、3画角に対応するコンバーターシステム。スペックだけ並べれば立派だが、X100VIの本質はもっとシンプルだ。「持ち歩きたくなるカメラ」であること。それが、このカメラが愛され続ける理由だと思う。
抽選に当たったあの日、運命だと感じたのは間違いではなかった。
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富士フィルムの公式サイトや、マップカメラ、フジヤカメラ、ヨドバシカメラなどの専門店での予約抽選販売をお勧めしますが、お急ぎの方はAmazonでの購入もご検討ください。

僕が買った1年前はワイコンやテレコンも在庫がないことが多かったんですが、在庫復活していますね!



