こんにちは、Nobuです。
先日、晴れた午後に新橋から銀座にかけて散歩しながら撮影してきました。手にしていたのは、ずっと気になっていたレンズ——AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Edition。
フジヤカメラで中古AB+品を約2万円弱で見つけて、即決でした。通常版との違いはデザインだけ、と思っていたんですが、実際にNikon Zfに装着してみると、その「絵になる組み合わせ」に少し驚きました。
今回はポートレート撮影を中心に、このSpecial Editionの描写を丁寧にレポートします。

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Editionとは
2013年11月発売。Nikon Dfの外観にあわせてデザインされた、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gの特別仕様版です。光学系は通常版と同一で、外装にレザートーン塗装・アルミ製シルバーリング・ローレット状フォーカスリングを採用しています。
現在は生産終了品ですが、中古市場ではコンスタントに出回っています。Zfのクラシカルなデザインと非常によく馴染むため、Zf購入後に「このレンズ欲しい」と思った方も多いはず。
主なスペック
- 焦点距離:50mm
- 最大絞り:F1.8 / 最小絞り:F16
- レンズ構成:6群7枚(非球面レンズ1枚)
- 絞り羽根:7枚(円形絞り)
- 最短撮影距離:0.45m(最大撮影倍率 0.15×)
- フィルター径:58mm
- サイズ:最大径 約73mm × 全長 約52.5mm
- 重量:約190g
- AF:SWM(Silent Wave Motor)内蔵
- 発売時希望小売価格:32,500円(税込)
- 中古実勢価格(AB+品):約1.8〜2.2万円前後
Nikon Zf + FTZⅡとの組み合わせ
ZfはミラーレスなのでFマウントレンズにはFTZⅡアダプターが必要です。AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G SEはSWMモーターを内蔵しているため、FTZⅡでもオートフォーカスがしっかり動作します。
装着したときの見た目が、これが素晴らしい。ZfのブラックボディにレザートーンのSEが加わると、まるでひと回り時代をさかのぼったような佇まいになります。街中で構えるだけで気分が上がるというのは、撮り続けるモチベーションにもつながります。
なお、Zfの手ブレ補正(IBIS)はFマウントレンズでも有効です。焦点距離を手動設定するだけで最大8段分の補正が働くので、少し暗いシーンでも安心感があります。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Edition 実写インプレッション
今回は新橋〜銀座エリアで、晴天の午後にポートレートを中心に撮影しました。以下、絞り域ごとに描写の印象をまとめます。
開放F1.8 ── 光の膜に包まれるような柔らかさ
開放では、ピント面の芯はちゃんとあります。ただ、周辺に向かってじわっとフレアが乗り、光が「にじむ」感覚があります。ポートレートでこれを使うと、ハイライトに淡いベールが漂い、どこか懐かしいような空気感になります。
背景が暗い環境では特にその効果が出やすく、被写体だけが浮かび上がるような描写になります。解像を求めてというよりは、光と空気ごと被写体を包むような表現に向いています。

最短撮影距離0.45mまで寄ることで、小物やアクセサリーを主役にした近接描写も楽しめます。背景が完全に溶けてしまうほどのボケ量で、ネックレスのディテールが浮かび上がるような一枚になりました。

F2.8〜F4 ── 解像とボケが両立するスイートスポット
F2.8に絞った途端、ピント面の輪郭がはっきり立ち上がります。開放のにじみが引いて、肌の質感や髪の毛の細かいテクスチャーがきっちり出てくる。それでいてバックのボケはなめらかで、いわゆる「ポートレートの黄金ゾーン」です。

F4まで絞るとさらにシャープ。背景に少し情報を持たせたい、環境ポートレートのような撮り方にも対応できます。緑豊かな公園の雰囲気ごと被写体を収めた一枚は、このあたりの絞りで仕上げました。

F5.6〜F8 ── 芯のある解像感、スナップの地力が出る
このレンズの素性の良さが一番わかるのがF5.6〜F8です。画面全体がフラットに解像し、ビルのガラス面の映り込みや遠景のディテールまで細かく描写します。6群7枚・非球面1枚という設計の真骨頂がここに出ます。
銀座の大通りを背景にした一枚は、都市の奥行きと被写体が自然に共存していました。ポートレートよりはむしろスナップや環境写真向きの絞り域です。

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Edition 競合レンズ比較
同じNikonの50mm系レンズと、主要スペックおよびZf上での使い勝手を比較します。
| AF-S 50mm F1.8G SE(本機) | AI-S 50mm F1.4 | AF-S 50mm F1.4G | |
|---|---|---|---|
| 最大絞り | F1.8 | F1.4 | F1.4 |
| レンズ構成 | 6群7枚 | 7群7枚 | 8群10枚 |
| フィルター径 | 58mm | 52mm | 58mm |
| 最短撮影距離 | 0.45m | 0.45m | 0.45m |
| 重量 | 190g | 約250g | 約280g |
| AF(Zf+FTZⅡ) | ○(SWM内蔵) | ×(MFのみ) | ○(SWM内蔵) |
| 中古実勢価格 | 約1.8〜2.2万円 | 約1〜1.5万円 | 約2.5〜4万円 |
AI-S 50mm F1.4は開放の柔らかさが魅力ですが、ZfでAFが使えないのが実用上の制約になります。AF-S 50mm F1.4Gはより大口径で解像力も高いですが、中古価格が上がります。日常使いのポートレートなら、SE版はコスパと実力のバランスが優れています。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Editionをおすすめする人・しない人
こんな人におすすめ
- Nikon Zfをメインに使っていて、見た目も含めてレンズにこだわりたい人
- ポートレートや街撮りで柔らかいボケを活かした表現を求めている人
- 2万円前後の予算でAF付き50mmを探している人
- 通常版との「デザインの差」に価値を感じる人
こんな人にはおすすめしない
- 光学性能だけで選びたい人(通常版と同一なので、数千円安い通常版で十分)
- 最大絞りF1.4以上が必要なポートレーター
- ボディとのデザイン統一感をとくに気にしない人
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G Special Edition まとめ
このレンズを一言で表すなら、「日常に一本足せる標準単焦点」です。特別に際立った描写があるわけでなく、どの絞りでも期待通りに応えてくれる、安定した実力の持ち主でした。
Special Editionである意味は、性能ではなくてデザインにあります。Nikon Zfと組み合わせたとき、街を歩きながらカメラを構えることが、少しだけ特別な行為に感じられる。そういう意味での付加価値は、確かに存在します。
中古AB+品で約2万円弱という価格は、このレンズの入口として十分に現実的です。フジヤカメラで状態の良い個体を選べたのも、結果として満足度の高い買い物でした。
Zfを持っていて「50mmの単焦点、どれにしようか」と迷っているなら、Special Editionは有力な選択肢です。写真の記録に、少し「佇まい」を添えてくれるレンズです。

モデル:灯原ひかりさん https://www.instagram.com/tomoshihara_hikari/
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